2019.04.26
世の中では明日からゴールデンウィークで10連休と騒いでいるようですが、大学は来週はまだふつうの平日で、29・30日とも授業があります。1日はいちおう休みらしいですが、2日はまた平日授業。月火は授業がびっしり入っているので、飛び石の休みが入ってもあんまり楽になりません。後半はいちおうカレンダー通りの連休となりますので、ここでちょっと一息つけるか。この後は休みらしい休みがなくなるので、この連休中にどれだけ体制を整えておけるかが、後々の大変さに関わってきそうです。- ここに来て急に寒くなってきました。東北から北海道のほうは、雪が降るらしいとのこと。例年は天気のかなりいいはずの連休が、今年は冬逆戻り気味です。連休後半のほうが天気は回復するらしいですが、それでも急変の可能性のある不安定な空模様のようです。別にどこかに遊びに行く予定もないので、まあいいっちゃあいいんですが。
- とりあえず先週今週の2週間は、ほとんど予定が隙間無くびっしりで、分刻みのスケジュール！と驚くくらい。去年と比べると授業が一つ増えただけですが、それだけでもずいぶんゆとりがなくなりました。各種会議はずいぶん増えて、けっこう時間を取られるようになってきました。その隙間を縫って、学生の個別面談をして、さらにその隙間にときどき打ち合わせが入ってきたりしてました。ようやく週末に来てほっとするとともに、ちょっと頭が疲れているみたいで、いろいろと考えることが面倒臭く感じる今日この頃です。ふう。
- 平成もあと4日で、5月1日から元号が「令和」と変わります。万葉集の「于時初春令月、気淑風和」からとられた言葉ということでしたが、その句自体が、中国の古典「文選」に収められている「帰田賦」にある句「於是仲春令月、時和気清」を踏まえたものである、ということは定説らしいです（新日本古典文学大系「萬葉集」で指摘されている）。そしてその意味は、愚昧な皇帝による政権の腐敗と国の乱れに嫌気がさして故郷へ帰りたい、というものだそう。（当時（後漢）の皇帝は「安帝」という！）そして東大の文学者である品田教授によると、万葉集の句を詠んだ大伴旅人は、当然この「帰田賦」の意味まで含めて参照しているという。文字面だけでは分からないけど、教養をもった人だけに伝わる書き方でその意味を込めているらしいです。テキスト全体を読み取ることで見えてきた大伴旅人の心は、「やりたい放題を重ねる彼らの所業が私にはどうしても許せない。権力を笠に着た者どものあの横暴は、許せないどころか、片時も忘れることができない。だが、もはやどうしようもない。年老いた私にできることといえば、梅を愛でながらしばし俗塵を離れることくらいなのだ…」というものだと（「東大教授が解説！「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ」 →https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64241）。すなわち、腐敗に満ちた政権に対する厭世観と敵愾心に満ちた句から「令和」という元号がとられたわけで、それは皮肉なことに、まさに現在の状況にぴったり符合した意味をもっている。
- 「令和」に込められた意味の通り「権力の横暴と腐敗を許さない」時代にしていこう、という宣言としては、現在の状況でこれ以上にない元号と言えるかもしれません。その意味をぜひ多くの人に広めていけると良いなと思います。ただし、そうした含意に気づかずに（万葉集を典拠とした、というだけで）嬉しそうに発表して時代の名前としてつけてしまった政権の迂闊さというか間抜けさを思うと、「令和」という元号を見る度に、そんな迂闊で間抜けな国であることを対外的に宣伝しているような気分になります。因みに大学では、今年度は「2019年度」で文書も統一されていますので、今後ともそれを倣って西暦に一本化したいと思います。いちいち元号との変換も混乱するし。
2019.04.11
オリエンテーション期間も終了、新学期の授業が始まりました。学科のガイダンスから始まり、衣料管実習報告会と、これから何かと挨拶しなければならないシチュエーションが増えそうです。今日は3年生の初ゼミ。一人ひとりの自己紹介と役員決め。今年の役割分担も決まったところで、今年度のゼミ活動も本格的にスタートとなります。去年は前期からOC向けのキャンパス模型をつくったり、いろいろ忙しい感じになりましたが、今年もさっそくいくつかプロジェクトに参加することにして、前期のうちから活発に活動をしていくことになりそうです。- 昨日はなんだか猛烈寒かったです。昼間でも4度くらい？真冬の寒さ。日野では冷たい雨が降っていましたが、八王子駅のほうでは雪が舞っていたらしいです。箱根とか群馬とか、本格的に雪が積もったりしてたみたいです。桜の咲いているこの時期に?!今日は天気が回復して、遠くの山々の雪景色がくっきりと見えていました。でもまだちょっと寒い。これで暖かくなるのかと思ったら、明日また寒いようです。さて明日は、今年度から始まる共通科目の初日。どれくらい履修しそうなのか、まったく見当がつきません。履修者があまりに少ない場合には、自動的に閉講になるらしいです。閉講になればなったで、ちょっと負担が減ることになりますが、2月後半から3月にかけて準備していた労力を考えると、ちょっと寂しい気になります。履修者数は、各学科の時間割にかなり左右されるような気がするので、まあとにかく、蓋を開けてみないとまったく読めない状況です。
- さて新学期が始まってしまうと、ここからは時間の経つのが無茶無茶早そうです。日々追いまくられるように時間が過ぎていきそう。きちんと準備ができているわけではないので、不安ばかりが渦巻く今日この頃。
2019.04.06
昨日入学式も無事に終わり、1年生のオリエンテーションも始まりました。ここに来て急に暖かな日となって、大学の桜もようやく満開という感じです。ここのところ人の少なかったキャンパスに急にまた学生があふれるようになってきて、いよいよ新年度が始まってしまうなあと、ちょっとずつ焦り始めています。すでに自転車操業必至。- 建築学会大会の梗概提出は4月4日まででした。今年は大学院生もいるので、研究室から3本の発表を予定。何とか〆切前日までに電子投稿することができました。とりあえず形だけ作成して、後で細かい部分は修正しようと思いつつ、気がつくとあっという間に〆切が近づき、まあとにかく投稿してるから、あとはもし修正などあれば発表の時にでも、というような気になってしまい、結局修正しないまま。あとで見返すと、これはちょっと直すべきだった、と思う点が諸々出てくるかもしれません。
- 4日の3年生ガイダンスでは、初の試みとして、大学院説明会を兼ねた院生（＋元院生）トークを開催。この4月に入学する人、M2になる人、修士修了したばかりの人、の3人が集まって、大学院に進んだ目的や大学院ならではの勉強、周囲の反応や将来について、など、自由に語ってもらいました。新3年生はけっこう一生懸命聞いてくれていたようで、今まで大学院という選択肢は視野に入っていなかったけどちょっと視野が広がったという人もいて、目的をもって勉強することの大切さに気がついたりと、背筋がしゃんとするような話をこの時期に聞かせることができたかな、と思います。教員がいろいろと話しても何か別世界の話のように聞こえてしまうようですが、少し上の直接の先輩の話というのは、刺激になるような気がします。時折こういう機会があると、卒業して就職する以外の選択肢というものも、少しずつ視野に入っていくようになるかもしれません。
2019.04.02
4月となり、2019年度に入りました。昨日さっそく辞令をいただき、今年度から学科主任ということになりました。今年から授業も増え、荷が重いことこの上ないですが、何とかこなしていきたいと思います。今日からは早々とオリエンテーションが始まります。そして4月5日には入学式となります。そういえば、卒業式のときに「桜の花もほころび始め…」みたいな枕を何度か聞いた気がしますが、それから2週間、大学の桜はまだ満開ではありません。隣の公園はかなり盛大に咲いているようですが、日当たりの問題でしょうか。ここのところちょっと冷え込んだこともあり、入学式ころが満開の見頃になるのかもしれません。- 昨日は新しい元号が発表ということで、世間は大騒ぎでした。今回の元号は、これまでの1300年の伝統を破って、初めて日本の古典を原典としたということが盛んに喧伝されています。万葉集には日本人の感性が籠もっている、中国の漢籍を典拠としたものとは違うんだ、ということを首相がずいぶんと強調していたらしいです。そんなことを言っている側から、万葉集の該当箇所は、中国の古典「文選」を踏まえたものであることが、岩波文庫編集部からツイートされたりしています。なんだろう、伝統にこだわると言いながら、これまでの伝統を壊していて、しかも日本の古典にこだわったつもりが中国の古典由来だったというあたりの、二重の浅薄さが瞬時に露呈してしまうあたりが、なんとも言えないどろどろとした感覚がまとまりついています。そんなこと関係ないと言わんばかりの報道にも、どうしようもない違和感が。。。重んじられるべき伝統や文化がむしろ蔑ろにされ、政治的に利用されている、という現状に対する哀しみと、とにかく西暦と元号との変換が混乱著しいので、個人的には西暦に一本化しようという外務省の方針を見習いたいと思います。