作品の調査と記録は、いつの時代も美術史研究の出発点です。日本における美術史学が草創期から形成期に入った大正?昭和期、幅広く数多く調査を続けた、相見香雨(1874~1970)田中一松(1895~1983)土居次義(1906~91)。三人の研究者の調査ノートには、三者三様の流儀で作品の記録が連ねられています。当時は、撮影や複写が容易でないことに加え、社会情勢の変化によるコレクションの散逸や、災害や戦争による文化財の破損など、作品をめぐる状況が揺れ動き、目の前の作品の記録をとる行為の切実さは一際強いものでした。三者の記録を通して、美術史学の歩みを回顧すると同時に、調査ノートにとどめられた研究者の目の記憶を再現します。
会期:2018年5月12日(土)~6月16日(土)
会場:実践女子大学香雪記念資料館 企画展示室1?2 下田歌子室
主催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館、実践女子大学香雪記念資料館
後援:美術史学会、渋谷区教育委員会
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
(ただし5月25日(金)は17:30まで)
入館料:無料
休館日:日曜日(ただし5月20日は開館)