実践女子大学の学祖?下田歌子(1854-1936)は、安政元年(1854)、美濃国恵那郡岩村藩(現在の岐阜県恵那市岩村町)の藩士であった平尾鍒蔵と妻?房の長女として生まれました。幼名を鉐(せき)といいます。明治4年(1871)、政府に出仕した父のあとを追って上京し、翌年には和歌の師であった八田知紀、高崎正風らの推挙により宮中に出仕します。宮中では、皇后(のちの昭憲皇太后)より和歌の才を愛でられ、「歌子」という名を賜りました。
歌子は教育者として、 明治17年(1884)、皇族や華族の女子の教育機関である華族女学校の創設に参画し、その翌年には同校の学監に就任しました。その際に歌子が考案した緋袴と指貫を折衷した袴は、当時の新聞で話題となりました。明治26年(1893)には欧米先進国の教育視察のため、2年間イギリスを中心として欧州各国の学校教育、家庭教育、そして女性の生活をつぶさに見学しました。その様子は、歌子の著書『泰西婦女風俗』において詳細に述べられています。他にも、歌子は被服を含めた数多くの家政学関連の著作を、図書や雑誌に数多く執筆しています。
本展では、宮中での下田歌子の服装を写真や絵画によって紹介するほか、彼女が作った校服関係の資料から、現在までの制服の変遷など、下田歌子の「宮中奉仕時代」から「華族女学校」、「欧米教育視察」、「家政学」、「実践女学校」などの各分野の服飾関連の資料および各時代の下田歌子の服装をご紹介いたします。
会期:2017年4月3日(月)~6月2日(金)
休館日:土?日曜日、5/3~5/5休館
ただし5/21(日)は開館
開館時間:11:00~17:00
入館料:無料
会場:実践女子大学香雪記念資料館 企画展示室1?2
主催:実践女子大学香雪記念資料館