文学部 英文学科 教授、文学部長、学園理事
稲垣 伸一(いながき しんいち)
INAGAKI Shinichi
専門分野?専攻 | 19世紀アメリカ文学?文化。特に関心のある作家はNathaniel Hawthorne、その他にはHenry James, William Dean Howells, Mark Twainなどリアリズム作家、Stephen Craneなど自然主義作家。これらの作家とその時代の社会?文化的事象との関係。 |
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最近の研究テーマ等
19世紀アメリカにおける様々な社会改革思想?スピリチュアリズム(心霊主義)?ユートピア思想などと文学作品との相互関連性について研究しています。特に最近は、南北戦争以前の女性解放運動家とスピリチュアリスト、ユートピア運動の実践者たちが共有していた結婚制度批判、そしてフリー?ラヴと呼ばれる思想に関心を持っています。こうした思想は社会からの批判も浴びながらも、南北戦争後まで引き継がれました。フェミニズム的な発想に立っていた結婚制度批判やフリー?ラヴと呼ばれる思想が、なぜ一部の人々によって強く主張され、同時に強く反感も買ったのかを歴史的にたどり、同時代の文学作品ではこの問題がどのように表現されているのかを調べています。
主な担当授業と概要
アメリカ文学文化講義
19世紀半ばのアメリカでは、人間の死後の霊と交信ができると信じるスピリチュアリズム(心霊主義)が流行しました。そしてスピリチュアリズムを信じる人々の多くは、奴隷制廃止運動や女性解放運動など社会改革運動にも参加しました。この授業ではこの授業では19世紀アメリカで流行したスピリチュアリズムが、同時代の社会改革運動と深く関係した事情やその時代的?思想的背景を探ります。
アメリカ文学史a
おもに19世紀から20世紀はじめまでに登場したアメリカ合衆国の思想家や小説家、詩人の作品を紹介します。19世紀には、アメリカでまだ奴隷制が存在していたり、女性解放運動が始まった時代が含まれます。ただ作品を紹介するのではなく、扱う時代をいくつかに分け、それぞれの時代でアメリカがどのような社会だったかを考え、社会状況を踏まえながら流行した文学の傾向を考えていきます。
趣味?特技
趣味は(ヘタくそな)フライ?フィッシングです。ときどき山梨の、ある小さな川に入って、ヤマメに遊んでもらっています。ときどきイワナも釣れ、そして背後にはサルも(!)現れます。もう一つの趣味は競馬。外国に行ったときはできるだけその土地の競馬場を訪ねることにしています。
受験生へのメッセージ
現代のアメリカ社会で見られる問題は、19世紀のアメリカと関係していることが少なくありません。例えば現代でもアメリカに残る人種問題は、19世紀半ばまで続いた奴隷制にさかのぼることができます。女性の問題にしても、女性が初めて団結して男女の平等を求めたのは19世紀半ばでした。19世紀アメリカの社会や文学を知るおもしろさは、現代のアメリカについて(そしてもしかしたら日本について)の理解にもつながるところです。